メンタルに悩むアスリートに寄り添いケアするための本
―競技の緊張、日常の不安・不眠、やる気が出ない、食事面の課題など―

山口達也(順天堂大学医学部スポーツ医学研究室):編著者

2024年5月31日発行 A5変型判 176頁
定価(本体価格3,000円+税)消費税10%込(3,300円)
ISBN 9784880029306

内容の説明

「レギュラーを取るためにがんばらなくてはいけないのに、やる気が出ない…」
「試合の前日どころか、ふだんも眠れずに困っている…」
「絶対に太れない。でも、食べたい気持ちは抑えられない。だから食べ吐きしてしまう…」

一見、活発にスポーツに取り組むアスリートの中でも
こうした悩みに苦しんでいる人々が多くいることは、あまり想像できないことかもしれません。
しかし、周囲が気づくころには重大な精神疾患を抱えているケースさえあるのです。

本書は、そうしたアスリートたちが抱えるメンタルの問題について、
実際にサポートにあたっている精神科医や心理士たちが
典型的な12のケースを元に、どのように考えケアにあたっているのかを著した1冊となっています。

精神医学やスポーツ心理学に携わっている方はもちろん、
次のような方々にもお読みいただくことで、きっとアスリートとの関わり方も変わってくるはず。

【スポーツ指導者】
ミスや怠慢なプレーに、ついつい「気合が足りない」といったことを伝えてしまいがちですが
その背後にメンタルの悩みが潜んでいる可能性を想像するきっかけに!

【整形外科をはじめとした身体科の医師・理学療法士・トレーナーなど】
身体的な訴えの背後に実はメンタルの問題が見受けられる、といった場合もあるのではないでしょうか。
ご自身ができるサポート、精神・心理職ができるサポートを判断し適切な共有を行うための第一歩に!

【お子さんがスポーツに励むご家族】
悩みを抱えはじめた場合に、どのような生活習慣・態度が現れだしてくるのか、
そのようになった場合にどう接していけばいいのか。
本書の典型事例で記載されているそうした情報を知っておくことは、きっと役立ちます!

「みる」スポーツ、「する」スポーツがここまでの成長を迎えた現代に、
「支える」意識をさらに高め、メンタルに悩むアスリートをしっかりとサポートしていけるよう
この1冊から始めていきましょう!

★松本秀男先生(公益財団法人日本スポーツ医学財団代表理事)、
三村將先生(慶應義塾大学名誉教授)、ご推薦!

おもな目次

推薦の序  松本秀男 3
アスリートの「こころ」をどうサポートしていくか 三村 將 5
アスリートに寄り添う仲間との結晶 山口達也 7

Case 1 競技へのやる気が出ない 14
    (山本宏明、川田裕次郎)
Case 2 気持ちが落ちている・上がらない(全般的な落ち込み) 26
    (中島和樹、土屋裕睦)
Case 3 眠れない 38
    (西多昌規、荒井弘和)
Case 4 吐き気・動悸がする 50
    (山口達也、関口邦子)
Case 5 うまくプレーできない,どう練習に取り組んだらいいかわからない 66
    (岡田祐輝、浅野友之)
Case 6 ボールがうまく投げられない 78
    (永井 宏、秋葉茂季)
Case 7 試合場面で不安になる・恐れを感じる 92
    (山口達也、谷木龍男)
Case 8 腰が痛い(心理学的要因を考慮するべきケース) 110
    (北原亜加利、谷内花恵)
Case 9 太ることが怖くて食べ吐きしてしまう(やめられない) 122
    (北原亜加利、栗林千聡)
Case 10 アルコールやカフェイン,痛み止めに走ってしまう・やめられない 138
    (井上誠士郎、田中みほ)
Case 11 軽いケガを繰り返してしまう 150
    (北原亜加利、江田香織)
Case 12 家族のことが引っかかり競技に集中できない 160
    (堀込俊郎、武田大輔)

コラム
メンタルヘルスとメンタルトレーニングについて(山口達也) 25
アスリートのメンタルに関わる職種って?(山口達也) 65
ストレスとは?(評価とその方略)(川田裕次郎) 77
イップスの動作指導の実際(石原 心) 89
コーチング(土屋裕睦) 107
女性アスリートの身体と心(能瀬さやか) 137
スポーツドクターが心理職に求めるもの(岩本 航) 158