超皮質性失語 
波多野 和夫 監訳

2002年発行 A5判 273頁
定価(本体価格3,800円+税)
ISBN9784880024493

その他執筆者など▼
内容の説明▼
超皮質性失語とは,発話・書字などの障害と比べ復唱能力が保たれている症候群です。
本書は,超皮質性失語の専門書である『Transcortical Aphasias』(Marcelo Berthier著)を完全翻訳。医師,言語聴覚士をはじめ,失語症にたずさわる方々に一読をお勧めします。

……著者は,超皮質性失語の良好な復唱が,右半球の機能媒介によるのではないかという古い仮説を再生させ,さらには超皮質性運動失語の薬物療法の可能性について,前方病変による超皮質性感覚失語の存在について,2種類の超皮質性失語のそれぞれにさらに複数の亜型が存在する可能性について,自動的発話,プロソディ,および反響言語の神経基盤とそのメカニズムについて,等々の興味ある失語学のテーマに踏み込んでいく。本書は超皮質性失語をめぐる20世紀の神経心理学の集大成としての意味づけも可能であろう……(訳者あとがきより抜粋)
おもな目次▼
第1章 歴史的側面
Wernicke-Lichtheimの連合論モデル
Lichtheimと内交連性失語
Wernicke-Lichtheimモデルに対立する理論

第2章 言語テスト
ベッドサイドにおける方法
多次元的バッテリーによる定式的検査
心理言語学的評価

第3章 超皮質性運動失語(TCMA)
古典型(classical pattern)
力道失語(dynamic aphasia)
非定型パターン
回復の過程とパターン
薬理学的治療

第4章 超皮質性感覚失語
臨床的特徴
神経基盤
言語機能の解離

第5章 混合型超皮質性失語(MTCA)
臨床的特徴
神経的基盤
臨床的亜型
回復の経過とパターン

第6章 超皮質性失語における反響症状,自動的発話,およびプロソディ
反響症状
自動的発話
プロソディ

第7章 超皮質性失語の神経解剖学
構造的神経画像
機能的神経画像

第8章 結論